
骨再生のエキスパート第5回
ガイストリッヒ バイオオス:非吸収性骨補填材の特徴
骨補填材吸収は破骨細胞の活性化による
in vitro 実験では、ガイストリッヒ バイオオス周囲の破骨細胞の活性がほぼ観察されず(図1)、臨床的に吸収速度が遅いことを示しています1。
ガイストリッヒ バイオオスがお届けする事実
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他の骨補填材と比較して(図2)表面の破骨細胞形成量は少ない(図1)。
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吸収速度は遅く、骨再生材料の安定性を向上させます1。
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新生骨形成の安定した足場となります2-4。
図1 ガイストリッヒ バイオオスにヒト単球を培養

ガイストリッヒ バイオオス上に破骨細胞のマーカーであるTRAP陽性細胞(赤)が少数ではあるが観察され、単球が破骨細胞に分化したことがわかる。しかし、破骨細胞は少量で、ガイストリッヒ バイオオスは吸収が少ないと言える。
青:細胞核染色 緑:アクチン骨格染色
図2 吸収性骨補填材にヒト単球を培養した場合の比較

3つの吸収性骨補填材上でヒト単球を培養した。培養液中にRANKL、M-CSFおよびTGF-βを加え、破骨細胞分化に適した環境とした。培養後、細胞は、ホルマリンにて固定し、透過処理を行い、TRAP(赤、酒石酸耐性酸ホスファターゼ染色)、アクチン細胞骨格(緑、ファロイジン染色)および細胞核(青、DAPI染色)それぞれを蛍光染色し観察した。
ガイストリッヒ バイオオス上に細胞は少なく(図2-1)、2つの合成材料(図2-2, 3)と比較し破骨細胞の接着あるいは分化をガイストリッヒ バイオオスが阻害する可能性が示唆された。これは、天然のガイストリッヒ バイオオス構造により、単球が骨形成においてすでに十分な環境であると判断し、成熟した破骨細胞に分化せず、新生骨を形成する骨芽細胞に良い環境を整えたと考えられる。
参考文献:
- Data on file, Geistlich Pharma AG, Switzerland
- Jiang D et al., J Periodontol. 1999 Aug;70(8):834-9. Pre-clinical
- Traini T et al., J Periodontol. 2007 May;78(5):955-61 (clinical study).